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トグルホールディングス株式会社のエンジニアブログでは、私たちの技術的な挑戦やプロジェクトの裏側、チームの取り組みをシェアします。

【shibuya.ts イベント参加レポート】 若手エンジニアの新たな挑戦と感動の瞬間

はじめに

こんにちは!エンジニアの龍野卓己です🐉

先日、TypeScriptに特化した知識とアイデアを交換する場として、技術者たちの熱い議論を呼び起こす「shibuya.ts」が東京・渋谷で初めて開催されました。このイベントの特色は、ライトニングトーク(LT)や懇親会を通じて、参加者が自身のTypeScriptに対する思いや経験を共有し、同じ技術を愛する仲間たちと新たな絆を深める点にあります。

shibuya-ts.connpass.com

トグルホールディングスが開発するプロダクト「デベNAVI」ではTypeScriptを開発の中心に据えており、そのため多くのエンジニアが参加しました。 中でも今回は、初めてLTを登壇した若手エンジニアにピックアップし、初登壇の心境や挑戦の中で感じた感動の瞬間について語ってもらいました。本記事では、彼がどのようにイベントに臨んだのか、初登壇を通じて得た学びや驚きについて深掘りします。

彼の目に映った「shibuya.ts」とは、どのような場所だったのでしょうか。


登場人物

宮崎 翼さん

若手エンジニア。今回の「shibuya.ts」で初めて社外イベントでライトニングトーク(LT)に挑戦した。新しい挑戦に対して積極的に取り組み、貴重な経験を得ることができた。

君田 祥一さん

宮崎さんと同じプロダクト開発チームのリーダー。イベントの周知活動を行い、社内のエンジニアに参加を促した立役者であり、同じく登壇者。技術者としてのリーダーシップを発揮し、若手エンジニアの成長を支えている。

龍野 卓己

本記事のライター兼インタビュアー。宮崎さんに初登壇の心境や学びを深掘りする役割を担い、彼の挑戦と感動を読者に届ける。


イベントに関して

「shibuya.ts」に参加してみて、最初の印象はどうでしたか?

イベントの雰囲気は非常に気軽で、参加者との会話がしやすかったです。特に若い世代の技術者が多く、さまざまな企業から参加されている方々がいらっしゃいました。その中には新卒の方も見受けられ、幅広い世代の技術者が集まる場であることに、非常に感銘を受けました。会場に到着した瞬間から、さまざまな方々と交流できることに大きな期待を抱きましたね。

私は、個人的にイベントの規模感が非常に好みでした。参加者が多すぎることなく、また少なすぎることもなく、比較的多くの方々と交流できたのは大きな魅力でした。規模が大きすぎると、交流の機会が一部の人に限られてしまい残念に感じてしまうこともありますが、今回のイベントでは、参加者全体と親交を深めることができ、非常に心地良い空間が形成されていたと感じました。

特に印象に残ったのは、司会者の方が作り出したフランクでリラックスした雰囲気です。司会者が場の緊張をほぐし、参加者がリラックスして交流できる環境を整えていたことで、参加者として非常に快適な時間を過ごすことができ、ありがたかったですね。このような雰囲気が、参加者一人一人が積極的に意見交換を行い、学び合う場としての価値を高めていたと感じます。

「shibuya.ts」に参加した理由は何ですか?

確か、君田さんが社内のSlackで「shibuya.ts」を社内に周知してくださっていましたよね。最初は参加を迷う部分もあったかと思います。特に、登壇という新しい挑戦に対して心理的なハードルを感じるのは自然なことだと思いますが、その後、何か追加の要因があって参加を決めるに至ったのでしょうか?

そうですね、最初は確かに少し躊躇していました。初めての登壇ということで、どんな内容を話すか、どのように伝えるかといった点で不安もありました。しかし、もともとイベントに参加して新しい技術や知識を得ることに強い関心がありました。加えて、connpassで簡単に申し込みができ、渋谷というアクセスが非常に良い場所で開催されるという点が、参加を後押ししました。

さらに、君田さんの「TSKaigi 2024」での登壇や、龍野さんの「TSKaigi Kansai」での登壇の姿が私にとって非常に大きな後押しとなりました。自分が日々携わっている技術やコミュニティに対して、もっと深く関わりたいという思いがありました。特に、技術者としてのネットワークが広がる機会を得られることに大きな魅力を感じ、参加する決心を固めました。イベント自体が自分にとって成長の場であり、同じような関心を持った人々と交流できるチャンスだと捉えることができたのが、最終的な決断につながったと思います。


LT登壇について

初めてのLT登壇に向けて、どんな準備をしましたか?

準備はかなり大変でした。正直、資料作成が苦手で(笑)。最初はたくさん資料を作ってしまったのですが、ブラッシュアップを繰り返し、最終的には内容を半分くらい削ることになりました。話す内容は事前に決めていて、全てを書き下ろして準備したことが成功の秘訣だったと思います。資料作成の段階で「どれが本当に必要な情報か」を考える時間が結構苦労しましたね。

社内の他の参加者からも「初めての登壇とは思えない」と高く評価されていましたね。それだけ準備をしっかりした結果だと思います。事前に話す内容をしっかりと練って、落ち着いて登壇できるようにすることは、後輩たちにも伝えていくと良いかもしれないですね。

直前には、改めて資料を読み直して、流れを確認していました。緊張はあまり感じませんでしたね。むしろ、「これで大丈夫だ」という安心感のほうが強かったです。事前に準備をしっかりしていたことが、緊張を軽減してくれたのだと思います。

私から見ても、緊張している様子は全く感じませんでした。実際、宮崎さんと登壇前に「緊張しますね」と話していたのですが、正直、「本当に?」と思うほど余裕を感じました。私も登壇経験があるのでわかりますが、最初の一歩を踏み出すまでが一番緊張しますよね(笑)

会場がさらに大きくなったとしても、あのペースで堂々と喋れるんじゃないかなと思いました。むしろ、観客の数が増えてもそれに動じず、落ち着いて話せる自信がついてきたような気がします。

speakerdeck.com

宮崎さんの登壇の様子

そもそも、小規模でもTypeScript関連のイベントに個人参加することはありますか?

実は、時々社外のイベントには参加していますが、登壇は本当にこれが初めてでした。今回のLT登壇を通じて、登壇者としての経験を得られたことは大きな成長だと思いますし、今後もこういった機会を活かしていきたいですね。

登壇後、予想外の反響やフィードバックはありましたか?

懇親会では、会話をした半数の人々が私を覚えていてくれて、「あ、○○のテーマの人ですよね!?」と声をかけていただいたことが印象的でした。複数の登壇者がいた中で、私のことを覚えていてくださったのは、ちょっと嬉しかったですね。私のテーマがニッチな内容ということもあり、質問をもらうことはなかったですが、興味を強く惹かれる良いLTができたのかなと思います。

私は一回も言われなかったです...👀

(爆笑)

懇親会の様子

逆にお尋ねしますが!登壇していて「ここが失敗だったな」と思う瞬間はありましたか?

問題提起の仕方や、最初に「この場面で苦労したことありませんか?」といった形で、対話形式で進めた方が良かったかなと思う部分もあります。一方的すぎたかなという反省もありますね。
ごりらさんという同じ登壇者の方の伝え方をお手本にしたいなと思いました。話の要点を前面に持ってきて、視覚的にも伝わりやすかったですね。私の場合、覚えた内容をそのまま読み上げてしまっていた感があり、抑揚や間の取り方に工夫が必要だったと感じています。

TEDの「時間という財産」という話を参考にすると、スピードの使い方が非常に上手で学びになると思います。特に、一拍置いてからまた一拍、その伝えたい部分は少しゆっくり話すというテクニックが印象的でした。

私もそのTEDシリーズを見たことがあります!というか、実は君田さんからお勧めされました。TEDの日本語プレゼンの中でも特に効果的なプレゼンテーション方法が学べるので、後輩たちにもぜひ伝えていきたいですね。

参考: TEDx Talks 「時間という財産: Hidetaka Nagaoka at TEDxSaku」


登壇者としての成長

初めての登壇から学んだことや、次回に向けての改善点は?

今回のイベントに参加する中で、実際に触れる機会がなかった技術が話題に上がり、具体的な開発イメージを持つ力が不足していた点が改善すべき課題であると感じました。例えば、Ant Design(AntD)を採用しているため、数百行に及ぶCSSを手書きする現場が想像できなかったこと、Remixなど名前だけを耳にしていたが実際に触れたことがない技術の開発シーンの話題には少し付いていけなかったことなどですね。また、開発環境や技術的挑戦について話題にした際、自身が実際に使用している技術についてもさらに学びを深めるべきだと感じました。

私も懇親会では、フロントエンドとバックエンド双方でTypeScriptを標準採用している開発環境にいることについて会話することがありました。「Next.jsですか?」というご質問をいただくのですが、実際は異なる技術スタックを採用している点を説明し、非常に興味を持っていただきました。トグルホールディングスは面白い開発環境にいるので話題に上げやすいですね。

※トグルホールディングスではフロントエンドもバックエンドもインフラもすべてTypeScriptを活用する「Full-Stack TypeScript開発」を採用している。 詳細はこちら

さらに、名刺交換の際に「プロダクトエンジニア」という肩書きに関する話題も出ました。従来のフロントエンドやバックエンドの枠組みではなく、プロダクトの品質向上や課題解決において、ユーザーの要求に対し技術面とサービス面の両輪で解決策を提供する役割が求められている現状を改めて認識する機会となりました。単に最新のReact 19の採用やパフォーマンス向上といった技術的取り組みだけでなく、ユーザーにとって本当に価値のある体験や満足を生み出すことの重要性を、強く実感しましたね。

(強く頷く)


コミュニティやイベントへの関わり

「shibuya.ts」のようなイベントに参加することが、自分にとってどんな意味を持ちますか?

今回の『shibuya.ts』のイベントで、実際に登壇されたことで、イベントへの参加意識が変わったのではないでしょうか?

登壇を通じてアウトプットの場を経験したことで、ただ情報を受け取るだけではなく、イベント全体に対する見方や自分自身の技術的成長への意識が大きく変わりましたね。技術記事を読むだけでは得られない気づきをもたらし、普段何気なく参加しているLTや、ちょっとした周辺知識、用語に対しても改めて振り返る良いきっかけとなっています。発表の準備過程そのものが貴重な学びの機会となること、説明することで自分の理解が一層深まるこの体験は繰り返したいですね。次のイベントとしては「TSKaigi 2025」の登壇を目指しています。

参考:TSKaigi 2025は5月に開催される日本最大級のTypeScriptをテーマとした技術カンファレンス。トグルホールディングスもゴールドスポンサーとして協賛している。(ぜひブースに遊びに来てください!)

2025.tskaigi.org


最後に

これからLT登壇を目指す人たちに、一番伝えたいことは何ですか?

ええ、難しいな...

やってみる前の自分に声をかけるなら?

...!

参加前は結構不安に感じしていましたが、実際に参加して本当に良かったと思っています。
テーマや話す内容が完璧に決まっていなくても、『話したいから参加する!』という姿勢は大切にしたいです。実際、登壇を経験する中で仕事への取り組み方も変わり、多くの学びを得ることができました。

スゥ──...

「いいから、申込め!」